ツイッターである方からありがたいお言葉を頂いた。
ハイパー全国転勤の会社で人事戦略をやっていた身として、miumiu広瀬さん(@late_hirose )のブログは身につまされるものがある。そして最高に面白い。
— ミサミサ (@WithALovinKiss) 2019年3月21日
犯人はお前だったのか!という言葉を飲み込み、「そういえば全国転勤アリの会社で働いてたんだっけ」ということを思い出した。
全国転勤っていうけど、本当に全国転勤はあるのか?ということについて誠実に語っていきたいと思う。
なお、この記事及びこのブログ自体が私miumiu広瀬の経験に基づくものであるということは、最初に断っておきたい。
希望の勤務地を聞かれることはあっても、考慮されることはない
私の勤めていた大企業では、配属地が決まる前に希望の勤務地を人事からヒアリングされる機会があった。
こんなもの、形骸的なもので何の意味もないだろうと思っていたら、本当に何の意味もなかった。
「勤務地の希望はありますか?」
「東京です!なぜなら~」というやり取りをしたのだが、ぼくが最初に配属されたのは日本最北端の都市だった。
人の希望を叶えるつもりがないなら、時間の無駄なので希望の勤務地ヒアリングはやめてほしいと思った。
しかし、日本最北端の都市と言えど、ぼく以外の誰かにとっては希望の勤務地な可能性もあるだろう。
だからといって、全く考慮されないのが前社だった。
実際、地元に帰りたい!という熱い思いを持った子がいるにもかかわらず、全く希望もしたこともなければ故郷でもない土地に飛ばされる人間がいること自体理不尽極まりないなと思った。
そして、自分自身、自分が嫌がってる土地に勤務したい人がいるなら、その人に勤務させてあげてよ!と思わざるを得なかった。
誰がどこで働くかは偉い人の一存で決まる
日系企業の良くない所だと思うのだが、誰がどこで働くかを決めるのは、本人ではなくて偉い人である。
実際、ぼくも偉い人によく言えば選ばれて日本最北端の都市に転勤することになった。
そして、その一つしたの人たちも同様に偉い人に選ばれてやってくることになった。
「体育会系で人の話を素直に聞きそうだから採った」
偉い人は鼻高々にそう言っていた。
そして、もう一人は「第一希望の勤務地を東京、第二希望も東京、第三希望も東京!」にしていたのに日本最北端の都市に配属が決まってしまったのである。
これはもはや会社の文化であり、文化に異議を唱える者がいたとするならば、そいつが辞めるほかないのである。
ぼく自身「東京に戻りたいです!」と部長に言ったところ「嫌ならやめるしかない。みんな我慢しているんだから。」という何の解決にもならない話をされた。
自分も我慢してきたから、後輩も我慢して当たり前という理屈はちょっとよく分からない。
結婚もしくは家の購入で全国転勤の可能性が上がる
凄く理不尽な話なのだが、結婚をするか家を購入するかという、人生の一大イベントをこなした人は転勤を余儀なくされる。
実際、ぼくの転勤先で、転勤でやってきた人たちは、6人中8人が結婚しているかもしくは家を買っているか、あるいは結婚していて家も買っている人たちだった。
つまり、75%の確率、4人に3人は結婚もしくは家を買うと全国転勤の対象になるということである。
中には2年で3回の転勤を経験した人や、家を買ったら即転勤が決まり、家は完成したけど住んだことがないという人もいた。
これが全国転勤ってやつだ。
文字通り、全国転勤とは北海道から沖縄までの範囲で転勤する可能性がある
同期の中には、鳥取、愛媛、香川、広島、山形、青森、群馬など、マジで全国各地隅から隅まで配属されていく人たちばかりだった。
一番エグいなと思ったのが、北海道で生まれ育った人が50歳を過ぎて沖縄に転勤になり、その後数年してまた北海道に戻ってくるという話だ。
日本最北端の北海道から、日本最南端の沖縄まで転勤になるケースはそうそうあり得るモノではないと思うが、実際そういうケースもあるということを学んだ。
東京、大阪、福岡、京都、名古屋、仙台、札幌くらいの転勤ガチャならまだ許容の範囲内だが、ここに群馬や香川まで入ってくると思うと末恐ろしい転勤ガチャである。
転勤が必ずしも悪だとは言わないが、希望の勤務地を聴いておきながら、希望の勤務地とはかけ離れた場所への転勤を命じ、かつ納得できる説明もされない転勤という制度には憤り以外に感じることはない。
これがもし、「今、〇〇という地域で全然地域で人が足りていなくって、どうしてもmiumiu広瀬さんに行ってもらう必要があるんです!」とか、「××部長がどうしてもmiumiu広瀬さんと働きたいと言ってるんです!」という説明があるならまだしも、電話で「来月から北海道だから、家決めてね。ヨロシク!!」で終わってしまうのが大企業の全国転勤である。
こういう不誠実な対応をしておきながら「どうして若手はやめるのか?」という問題を考え始め、「上司との交流が少ないからだ!」と、必死で上司と若手の飲み会を開くというソリューションを考え出した人事さんには頭が上がらない。辞めて良かった。
他部署への異動希望も通らない、任期も分からない、結果人生設計が狂う
そんなに転勤が嫌なら、転勤のない部署へ行けばいいと思う人もいるかもしれない。
しかし、転勤のない部署の競争率は高いというか、人が定着していてポジションに空きがないので、異動が叶うケースは非常に稀である。
実際、異動希望が通った人の事例を考察してみると、ある法則があることが分かった。
非営業職から、営業職への異動希望を出している
人だけ、希望部署への異動が叶っているのだ。
この様な現実にもかかわらず、会社は就活生に対して、「ジョブ〇〇」という制度があるので、入社して希望された部署へ配属されなかったとしても、数年後に異動できる制度があります!と声を大にして言っている。
営業は常に人が足りていないから、異動希望がすんなり通るんでしょと思わずにはいられなかった。
実際、営業は人が足りていない。
何故かというと、辞めていく人のほとんどは営業職だったし、うつ病で休職する人もほとんどが営業職だった。
会社は会社のためにあり、自分は自分のためにある
会社は誰かのためでなく、会社のためにある。
これは創業者とか株主とか経営者とか、そこら辺の人の為のものであって、これから入ってくる人や、その会社で働いている人の為のものではない。
しかし、自分の人生は自分のためにある。
会社にとっては誰をどこに転勤させるかという問題は、大した問題ではない。
誰がどこへ転勤しようが、大差がないからである。
しかし、実際に転勤させられる側の身になるとそうも言っていられない。
一人ひとりにそれぞれの人生があり、どこで働きたいとか、どういう人生を歩んでいきたいとか、十人十色なのである。
にもかかわらず、有無を言わさずに希望していない勤務地に転勤させる行為自体は、当事者レベルでは納得はできない。
全国転勤と縁を切るべく、外資系の企業に転職することにした
多くの人が全国転勤という運命を受け入れて社会人生活を全うしていくなか、どうしても会社の言うことを素直に聞くことができなかったぼくは外資系企業に転職することにした。
外資系企業なので、たまに海外に行くこともあるが、基本的には日本の東京から出ることはない。だって東京以外に事務所がないからね。
外資系に絞って転職をすると、自分の希望の業界であったり、職種であったり、その他の希望の優先順位を下げる必要が出てくるけど、いつどのタイミングで日本の北から南まで転勤を命じられるリスクを考えると、多少希望が叶わないことくらいは余裕で我慢ができる。
もし転勤になったら、折角築き上げてきた女の子との関係も基本的にリセットしないといけなくなってしまう。
転勤先で築いた女の子との関係をリセットしてしまったけど、東京は転勤先以上に沢山の可愛い子で溢れてるので全く問題なし。
むしろ最終的にはジジババしかいない街に転勤することになったので、それと比べたら問題ないどころか余裕でプラスである。
しかし、転勤先で出会った女の子はいい子だった。
でも、当時は結婚してたんですよね。
当時の恋愛の話は下記記事をどうぞ。
転職先を決めるにあたっては、全国に事務所のあるマイナビが運営するマイナビエージェント とパーソルキャリア(旧:インテリジェンス)が運営する
dodaがオススメです。
地方だったんで、同じく全国展開しているような会社としかやりとりできなかったんですよねー。
全国転勤がいやならやめろという話を受け、あっさり転職してやめてしまったわけですが、東京に戻ってこられたので特に後悔もなく、楽しく過ごしてます。
ぼく自身は転職して良かったなと思ってますよ。